国際化の進展に伴い、英文契約書に関わる知識が必須となってきています。本セミナーでは、30年に亘り国際企業法務に携わってきた講師が、英文契約書の基礎知識と全体構造、国際契約交渉の第一線で役立つ実務知識の重要ポイントを、一日で身に付けられるよう分かり易く解説致します。
第1部 基礎知識の総ざらい
1.英文契約書の構造
<英文契約は4つの部分に分けてみると分かりやすい>
(1)冒頭部分(契約の効力発生日、前文、約因文言)
(2)実質条項部分(契約当事者の具体的権利・義務に
関する条文)
(3)一般条項部分(契約の運営・解釈・紛争処理に関する条文)
(4)末尾文言部分(多くの実務問題を含む)
2.法律英語の特徴
<助動詞、専門用語、長い複雑な条文構造>
(1)法律英語の文法―特に助動詞shallの使い方
(2)専門用語(専門用語、法律用語と一般用語の大きな違い、
ラテン語)
(3)長い複雑な構文(修飾語、句、節の掛かり方のルール)
3.英文契約の第一関門と云われる一般条項
(General Provisions)
(1)一般条項にはどのような役割があるのか
(2)汎用性の非常に高い一般条項(20種類)を覚えてしまおう
第2部 国際契約交渉の進め方
[ I ] 交渉に入る前に
1.英文国際契約と日本語の国内契約の違い
(1)何故英文契約はやたらに長いのか
(2)契約書での相手方の縛り方(契約の相手方に対する
信頼感の問題)
[ II ] 契約交渉の手続き例
1.レター交換による交渉の留意点
2.初期の実質的交渉
(1)秘密保持契約の締結・調印
(2)合意形成と議事録minuteの作成
3.「レター・オブ・インテント」の締結
(1)「レター・オブ・インテント」の機能と法的効力
4.最終的な契約交渉
(1)最終契約案の作成権はどちら側にあるか
(2)交渉決裂の場合も考えながら交渉する
(3)契約に落ちがないかの検証と準拠法・使用言語・紛争
解決手段等の規定の挿入
(4)締結(調印権限について)
5.契約締結後の手続
(1)契約書の引渡し
(2)隔地者間の契約書の調印と効力発生時点の問題
第3部 英文契約のものの考え方
1.英文契約上のものの考え方(総論)
(1)人間性悪説と人間性善説
(2)法律の違いから来る英文契約と日本語契約の違い
(3)英文契約における契約成立の要件・「約因」
(4)AgreementとContractの違い(「約因」の効果)
2.英文契約の基本的な理論(各論)
<英米契約の重要な法原則(Parol Evidence Rule, Estoppel,Statute of Fraud, Doctrine of
Impossibility)>
3.英文国際契約の種類とその特徴(典型例)
(1)レター・オブ・インテント(Letter of Intent)(L.O.I.)
(2)秘密保持契約(Non-Disclosure Agreement)(N.D.A.)
(3)物品売買契約(Sale of Goods Agreement)
(4)販売店契約(Distributorship Agreement)
(5)技術ライセンス契約(Technology License Agreement)
(6)合弁事業契約(Joint Venture Agreement)(J.V.A.)
提供書籍:「ひと目でわかる英文契約書」かんき出版
2011年09月 ¥2,592(税込) |
【講師略歴】
東京大学法学部卒業と同時に、味の素(株)入社。米国、ドイツ、フランスの同社海外事業部駐在員延べ9年間勤務の後、本社法務部門の担当者・責任者(役員待遇)として約20年間、合弁事業、M&A、輸出入等の各方面の国際契約、及び訴訟業務に携わる。退職後、数年間バベル・ユニバーシティ講師として、英文契約書の読み方・書き方の講義を担当、また、日本貿易振興機構(ジェトロ)、商工会議所等で、英文契約のセミナー講師を勤める。
主な著書に、「ひと目でわかる英文契約書」(2011年かんき出版刊)等がある。
※録音・ビデオ撮影はご遠慮下さい。
※昼食は11:30〜12:30の間に各自でお取り願います。
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