現場で生かせる!「クレーム対応」のポイント

日時: 平成27年5月12日(火)午後1時00分〜午後4時30分
会場: 金融財務研究会本社 グリンヒルビル セミナールーム
(東京都中央区日本橋茅場町1-10-8)
受講費: 35,000円(お二人目から30,000円)
(消費税、参考資料を含む)

講師 山口 雄(やまぐちたけし)氏
山口国際総合法律事務所 弁護士

 クレーム対応の現場では、いわば「正解」のある参考事例や設例を「解く」(しかも、事実関係が最初から判明していて、正解の見通せることも多い)のとは異なり、初期対応段階から順次に「手順」を追いながら、法的にもビジネス的にも適切な「着地」を見つけていく作業に取り組むことが求められます。
 その際、全くの精神論や単なる経験談は実地にそれほど役に立たず、他方で抽象的な法律論だけでは現場での使い方が分からず、どちらもポイントを十分に押さえ切れません。重要なのは、「(法的な)原則を踏まえること」と「現場で実践できること」の総合力です。
 そこで、実際に経営者・管理職・担当者の皆様と、さらには直接クレーム対応に当たってきた講師が、現場の悩みを理解しつつ法的原則を押さえる対応を解説します。特に、従来の解説の盲点や現場での落とし穴を考えながら講義を進めますので、既にある程度実務経験はあるが現場対応や社内指導にいまひとつ悩みがある、という管理職や担当者の方にもお勧めです。



1 はじめに:「クレーム対応解説」を受講しても
現場で悩みかねない点〜解説自体の内容チェックポイント

(1)「クレーム」とは何を指して言っているのですか
〜「クレーム」は和製英語? クレームの定義又は
場合分けが十分か

(2)結論が最初から分かっていれば現場はこんなに
苦労しないのですが
〜正当クレームと不当クレームの判断過程が説明
されているか

(3)現場は結局何にどこまで責任を持てばよいのですか
〜現場で行うべき事項と法務・弁護士(社内・社外)・経営に
確認・判断を仰ぐべき事項の切り分けは説明されているか

(4)もちろん業務ですから担当者一同全力を尽くしますが
〜クレーム対応のフィードバック体制作りと担当者(部門)への
然るべき評価にも配慮しているか


2 クレーム対応の基本的理解と方針
(1)「クレーム」の意味と場合分け
〜内容によりリスクと対応が異なる

(2)「正当クレーム」の構造
〜基本5要素に該当すれば原則正当・しなければ原則不当

(3)「不当クレーム」の構造と場合分け
〜問題点の所在はそれぞれ異なる

(4)基本方針は、ステップを踏む
〜ただし実務上多くは途中でループし会社全体で解決

(5)窓口・法務・経営の「三本の矢」〜平時と有事に


3 実際のクレーム対応(基本編)
(1)事前ステップ

(2)ステップ1〜5

(3)事後ステップ


4 実際のクレーム対応(ここで演習)
現場側でよくある「7つの誤解」
〜どこが具体的に誤解(又は場合分け不足)か、
受講者側の理解チェックポイント

誤解1 会社から謝罪の言葉を述べることは、どの者から
いかなる場合であっても一切してはならない。

誤解2 全てのクレームには毅然として対応しなければ
ならない。

誤解3
根拠のないクレームを述べるお客様に対しては、
クレーム内容に対する会社の見解を説明する必要もない。

誤解4 クレームは全てお客様からのものである以上、
クレームに伴ういかなるご要望にも、お客様のご意向に
沿うようにご対応しなければならない。

誤解5 会社からのご説明がお客様にご納得いただけない
限り、対応は失敗で意味がなく、ご納得いただけるまで
続けなければならない。

誤解6 クレームについて第三者機関に持ち込まれること
(訴訟提起等)は、いかなる場合であっても避けなければ
ならない。

誤解7 会社とお客様との間で何らかの最終的な合意が
成立する場合も、クレームを穏便に収めるためには、
書面にはしない方がよいし、その内容にもこだわらないが
よい。


5 実際のクレーム対応(各論編)
(1)どの場合でも手続的対応は粛々と行う
(適正対応の証拠化プロセスとして組み込む)

(2)記録を取ることの意味
〜人の記憶は(他意はない場合も)変遷する

(3)よくある不当主張にはどう切り返すか

(4)「平行線」「堂々巡り」状態になったら問題か

(5)法的手段を取られることは問題か

(6)クレーマーの性質に応じた留意点

(7)外国人事案の場合の留意点
〜同じでよい点と多少異なる点

(8)事業の性質に応じた留意点
〜B to Cのサービス業、会社側に法的過失がない場合等

(9)初期対応・継続対応に失敗があったら
〜「二次災害」の防止

(10)自社スタッフだけで頑張る方がよいか
〜心身疲労の蓄積・士気と経営効率の低下

(11)弁護士ならば誰でもクレーム対応を取り扱えるか

(12)さらに先を見たクレーム対応の事業上の意味
〜企業再編等との関係


6 まとめに代えて
〜「7つの誤解」は解けましたか

(社内で説明・指導できそうですか)



【講師略歴】

弁護士(東京弁護士会所属)。東京大学教養学部教養学科国際関係論分科卒業、同大学院総合文化研究科国際関係論専攻修士課程修了。新東京法律事務所勤務、ビンガム・坂井・三村・相澤法律事務所(外国法共同事業:現名称。2015年4月よりアンダーソン・毛利・友常法律事務所と統合予定)勤務を経て、2010年に現事務所を設立、2012年より大橋&ホーン外国法事務弁護士事務所と事務所共同使用。近時の役職は、日本弁護士連合会国際室嘱託・幹事、東京弁護士会国際委員会委員、同会労働法制特別委員会委員、同会自治体等法務研究部部員等。
主な取扱分野は、コンプライアンス(クレーム対応、社内通報対応等)をはじめ、国際取引・労働法(外資系企業含む)等の会社法務。          

※録音・ビデオ撮影はご遠慮下さい。
主催 経営調査研究会
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