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「海外売上獲得M&A」の解剖
〜間違ったM&Aパラダイムの危機を日本語で解説〜
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日時: 平成28年4月15日(金)午後2時00分〜午後5時00分
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会場: 金融財務研究会本社 グリンヒルビル セミナールーム
(東京都中央区日本橋茅場町1-10-8) |
受講費: 34,700円(お二人目から29,000円)
(消費税、参考資料を含む) |
講師 スティーブン・ギブンズ氏
外国法事務弁護士 米ニューヨーク州弁護士
上智大学 法学部教授
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日本のビール大手は10年ほど前から少子高齢化による国内市場の縮小に備えて、海外売上を伸ばすため海外M&Aを積極的に手がけてきた。ビール産業以外の非製造業の企業(金融、食料・飲料品、メディア・広告、通信・インターネット系、等)でも近年同じロジックで海外M&Aブームが広がっている。
キリンホールディングスは2009年以降海外M&Aに1兆円以上を投じてきた。しかし海外事業の黒字化への道のりはいまだ遠く、2015年の決算では2011年に買収したブラジル子会社の大幅な赤字の影響で、連結の損益計算書は損失へと転落した。キリンは既存の海外事業が十分消化され、黒字化に転じるまで、新たな海外M&Aを延期することに決めたようだ。
キリンが国内外の事業と戦略について悩んでいる間に、ビール業界のグローバル大手企業は10年以上前に「国内」・「海外」という区別が全く意味をなさない新しい時代へと舵を切り始めた。世界最大のAB InBevはヨーロッパ、南米、北米の大手企業との合併から生まれ、その売上は世界の各地域へと広がり、時価総額はいまやキリンの15倍だ。今年予定されている世界No.2のSAB Millerとの合併が完了すると、キリンの25倍の会社になる。キリンが苦労しているブラジルにおいては、AB InBevのマーケットシェアは90%を超えている。
「海外M&Aを通じて海外売上を獲得する」作戦は日本企業の一般常識となっているが、日本のビール業界の経験を客観的に分析するとその甘い常識を疑わずにはいられない。
1. 国境を超えるグローバルビール市場における
「海外売上獲得M&A」
・グローバル市場の展開と分析
・AB InBev 対 キリンホールディングス
・キリン、アサヒの海外M&A事例とその後
2. その他非製造業の「市場獲得海外M&A」の実績と
その評価
・金融(銀行、証券、生保、損保)
・食料・飲料品(味の素、サントリー)
・広告(電通)
・インターネット・通信(楽天、ソフトバンク)
【講師紹介】
東京育ち。京都大学法学部大学院留学後、ハーバード・ロースクール修了。Debevoise & Plimpton, New Yorkに勤務後、1987年以降は東京を拠点とし、国際企業法務を主な業務分野としてGibson, Dunn & Crutcher、西村総合法律事務所(現:西村あさひ法律事務所)にて勤務。2001年よりギブンズ外国法事務弁護士事務所所属。
主要著書:
“The Vagaries of Vagueness: An Essay on “Cultural” vs. “Institutional” Approaches to Japanese Law”,
22 Michigan State International Law Review 839 (2013) 、
“Looking Through the Wrong End of the Telescope: The Japanese Judicial
Response to Steel Partners, Murakami and Horie”,
in Washington University Law Review, Vol.88, No.6 (2011) 、
“Corporate Governance and M&A”,
chapter in Japanese Business Law, G. D. McAlinn, ed. (Wolters Kluwer 2007)、
「Grokster米連邦最高裁判決とWinny開発者事件をめぐる「意図」の関係」
国際商事法務 Vol. 33, No.8 (8/2005)、
「UFJ-MTFGの「取引防衛対策」はどの「取引」を「誰」のために「保護」しているのか?」
国際商事法務 Vol. 33, No.2 (2/2005)、
「デラウエア州最高裁であったら、今回UFJホールディング側がとった合併統合防止策に対して、どのような司法判断を下したであろうか?」
国際商事法務 Vol. 32, No.10 (11/2004)。
※録音・ビデオ撮影はご遠慮下さい。
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主催 金融財務研究会
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