最近の不動産ファンド業界では、一社で複数のリートを運用したり、自社で運用する私募リート向けにブリッジファンドのAM業務も受託したりする動きが見られます。3本の防衛線の考え方によると、コンプライアンス・リスク管理部門は第2線として第1線であるフロント部門による管理の実効性の検証と支援が求められることから、果たすべき役割は高度化・複雑化してきていると言えます。
そこで、本講演では不動産ファンド運用会社におけるコンプライアンス・チェックの実態を紹介するとともに、時間的制約のある中で行われることの多い物件取得業務を題材に、フロント部門との協業やチェック結果の証跡化方法について効率性の観点も踏まえて解説します。
1.コンプライアンス・チェックとは
(1)コンプライアンス部門が求められる役割
(2)コンプライアンス・チェックの実態
(3)コンプライアンス・チェックに大切な4要素
2.コンプライアンス・チェック結果の証跡化
(1)物件取得業務で考えるコンプライアンス・チェックの要諦
(2)コンプライアンス・チェック結果の証跡化
(3)コンプライアンス・チェック態勢高度化のための施策
3.リスク管理、内部監査との連携
(1)リスク管理との連携
(2)内部監査との連携
(3)自主点検の活用
4.ケーススタディ(利益相反取引を題材として)
【井上 一孝 氏】
大手鑑定事務所での証券化不動産鑑定評価の経験と上場リート資産運用会社(投資運用部門)での経験を活かし、現在は不動産関連金融商品取引業者向けにコンサルティング業務を実施している。資産運用会社在職時には当局検査対応も経験しており、自らの実務経験や各社の状況を踏まえたアドバイスを心掛けている。
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