日本企業による海外M&Aを行う実務を中・上級者向けに検討します。
まず、米国と欧州の企業を買収対象とする場面を想定して、それらの国のM&Aの制度に言及しつつ、日本の制度との違いを論じます。特に公開会社の買収では、各国の制度は、日本と異なることが多いので注意が必要です。
またM&Aに関する契約で注意すべき条項や交渉のポイントを説明します。
最後に、M&Aに関する税務の問題をとりあげ、何がどういう風に問題になるか基本にたちかえりながら実際的な視点で解説します。
1 海外M&Aの進め方
(a) 公開買付制度における各国の違い
(b) 公開買付制度以外の公開会社の買収方法
(c) 対象会社との独占交渉権の確保に関する各国の実務
(d) 買収ファイナンスの実務
(e) 独禁当局への対応(世界各国の"merger control"ファイリング)
(f) 対象会社の労働問題への対応
2 M&A契約における注意点
(a) 非上場会社買収の場面
・売主への責任追及を確保するための着眼点
(b) 上場会社買収の場面
・対象会社の取締役の責任への配慮
(c) 株主間契約が必要となる場面
3 日本企業が海外M&Aを行う際の税務問題
(a) 過去の税務リスクを引き継がないために。
(b) 現在の税務コストの節約のために。
(c) 将来の税務コストを下げるためのタックスプランニング
【講師紹介】
弁護士・ニューヨーク州弁護士。1996年東京大学法学部卒業。同年司法試験合格。2000年弁護士登録(52期)。2006年ニューヨーク州弁護士登録。2005年ニューヨーク大学(NYU)国際租税修士課程(International Taxation LLM)、2006年ニューヨーク大学(NYU)租税法修士課程(Taxation LLM)修了。2000年-2006年Freshfields Bruckhaus Deringer(法律事務所)勤務。2007年-2011年Allen&Overy(法律事務所)勤務。2012年1月以降、日比谷中田法律事務所パートナー弁護士。2015年表記現事務所へ。
著書に「弁護士のための租税法」(千倉書房、共著)など。IFA会員、2011年IFAパリ大会ブランチレポーター。
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