ここ最近のブラジル経済は非常に停滞していたものの、2017年の実質GDPが3年ぶりにプラスになるなど回復傾向にあります。人口を約2億人抱え、かつ、中間層が急激に拡大していることからすれば、まだまだ見過ごせない市場です。また、2016年に就任したテメル大統領は、外国からの投資を呼び込もうと規制緩和や公共施設の民営化を積極的に行う姿勢を見せており、インフラ投資など、日本企業にとっても多くのチャンスが出てくると思われます。また、労働法が74年ぶりに改正されたことも、ビジネス環境にとっては良い材料です。もっとも、ブラジルの法律はすべてポルトガル語で規定されていることもあり、日本でブラジルの法律や実務についての情報を得ることは容易ではありません。
そこで、本セミナーでは、2012年9月から現地の法律事務所にて勤務している弁護士が、ブラジル進出やブラジルでのM&Aに伴い日系企業が直面する問題とその対策について、実務的な観点を交えて解説いたします。
1.ブラジル法の基礎知識
(1)法体系
(2)訴訟の数、期間
(3)契約書作成の実務
(4)ブラジル法に関する情報収集方法
(5)現地法律事務所について
2.主要な法律の実務的な留意点
(1)会社の運営に関する法律
(2)労働法
(3)VISAの取得
(4)販売代理店利用時の留意点
(5)知的財産権のライセンス
3.M&A
(1)M&Aのプロセス、手法
(2)主要な法規制
4.コンプライアンス
(1)カルテル
(2)腐敗防止法
5.今後の法改正等
【講師紹介】
2003年弁護士登録、同年TMI総合法律事務所へ入所。2012年9月〜2013年12月までTozziniFreire Advogados法律事務所(ブラジル・サンパウロ)、2014年1月から現在までMotta Fernandes Advogados法律事務所(ブラジル・サンパウロ)に勤務し、日本企業によるブラジル進出、M&A、知的財産など多くの案件に関与。
著書:
「ブラジル労働法改正の要点解説」(ビジネス法務2018年2月号)、「ブラジル腐敗防止法Q&A」(BUSINESS LAW JOURNAL 2017年10月号)、「ブラジルにおけるカルテル手続」(BUSINESS LAW JOURNAL 2017年4月号)、「ブラジルにおけるM&A‐事業の一部を取得するM&Aの方法」(MARR 2017年4月号)、「ブラジルでのM&Aにおける実務上の注意点」(MARR 2016年3月号)、「ブラジル進出の実践的アプローチ」(BUSINESS LAW JOURNAL 2014年10月号)、「海外法務便り【ブラジル編】知っておくべきブラジル法の特長及び最近の法改正」(経営法友会リポート 2014年09月号)、「W杯・五輪で注目度上昇 ブラジル進出の法務・税務事情」(旬刊経理情報 2012年12月10日号)ほか多数。
※録音・ビデオ撮影はご遠慮下さい。