インドの法規制は、規制主体の多様性等から全貌把握が難しく、また価値のバランシングが日本とは異なる面もあり、インドに進出していながらも現地で何が起こっているのか、特に日本本社では理解しがたい、という事態も生じ得ます。
本セミナーでは、直近での講師自身のインド滞在経験(約2年)に基づき、インド法規制の全体像について、実例をもとに理解と対処法を解説するとともに、新たに債権回収手段・事業取得の機会としても注目されている新法「インド破産法」の、施行後1年半の運用状況・活用方法を詳論します。
1.インド法規制の全体像
・ インドビジネスをする上で押さえておきたい根本規範「インド憲法」の条文
・ 連邦と州の立法権〜労働法制を中心に
・ 各種法形式の理解〜act, regulation, clarification, notificationなど〜会社法を中心に
・ 日本とは真逆の司法積極主義
〜インド最高裁による積極的なルール形成、違憲審査〜具体的なビジネス規制事例
2.2016年インド破産倒産法
・ 「会社更生→破産」であるインド破産法の特色(日本の破産法との違い)
・ 手続の流れ〜金融債権者、事業債権者、債務者の立場
・ 「破産法の手続を通じて事業を取得する」場合の具体的な対応
・ 債権回収の手法としての破産法(優位点と留意点)
・ 施行後の重要な裁判例及び重要な改正点(保証人への影響、不当な申立てへの対応など)
〜質疑応答〜
【講師紹介】
1994年早稲田大学法学部卒。2000年弁護士登録(53期)。民事執行法・保全法を活用した紛争処理、反社会的勢力対応等、シビアな事件対応を中心業務とし、この分野の講義・執筆多数。2016年より法務省より調査業務を受託して約2年間インドに滞在し、2018年4月に帰国。
※録音・ビデオ撮影はご遠慮下さい。