後継者不在による中小企業の廃業が社会問題化する中で、いわゆるM&Aを通じた事業承継が増加傾向にありますが、通常のM&Aとは大きく異なる特徴・リスクにより、途中で行き詰る例が後を絶ちません。
本セミナーでは、このような事業承継型M&Aの特徴・リスクを真正面から見据えつつ、売主(オーナー)と買主の双方の立場を踏まえて、現実的な処方箋と落としどころをご紹介していきたいと思います。
1.はじめに
〜事業承継型M&A増加の背景と問題の本質とは?〜
(1)オーナーの理想は親族内承継だが?
(2)事業承継型M&Aが選ばれる理由は?
(3)事業承継型M&Aに伴う「寝た子起こし」問題とは?
2.M&Aの前提知識
(1)基本的な取引類型
(2)関連するプレーヤー
(3)一般的な手続きの流れ
3.事業承継型M&Aにおける主要リスクと処方箋
(1)株式の帰属問題
(2)株式価値/企業価値の算定問題
(3)事業用不動産に伴う各種瑕疵の問題
(4)従業員雇用の問題
(5)反社関係の問題
4.事業承継型M&Aにおける契約書の落とし所
(1)表明保証と補償義務の問題
(2)クロージング後の誓約事項の問題
(3)親族役員/後継候補者の問題
5.おわりに
〜事業承継型M&A成功の鍵とは?〜
【講師紹介】
2000年3月東京大学法学部卒業(法学士)、2002年10月最高裁判所司法研修所修了(55期)・弁護士登録(第一東京弁護士会)・石嵜信憲法律事務所(現:石嵜・山中総合法律事務所)入所、2004年4月現所属事務所で勤務開始、
2009年-2010年独立行政法人経済産業研究所(RIETI)・企業法研究会委員、2011年1月現所属事務所パートナー就任、2015年-ベンチャー企業・社外監査役、2015年日本経済団体連合会・組織変動労働関係プロジェクトチームメンバー、2015年経済産業省・企業の機密情報の管理手法等に係るマニュアルの策定に向けた研究会委員。
主要著書等:
「ANALYSIS 公開買付け」(商事法務 2009年)(共著)、「M&Aと組織再編(11)(12・完)組織再編に係る法定外契約」(共著)(旬刊商事法務
No.1906 2010年8月5-15日合併号、No.1909 2010年9月15日号)、「「会社法制の見直しに関する中間試案」の見どころ」(ビジネスロー・ジャーナル
2012年3月号)、“Stake-building in the mysterious country”(The 2012 guide to
Mergers and Acquisitions (Edited by IFLR))(共著)、「組織再編の無効事由と提訴期間」(ジュリスト増刊「実務に効く
M&A・組織再編判例精選」 2013年5月)、“Legal Practice Guide: Corporate M&A 2013
(Japan Chapter)”(Chambers&Partners 2013)(共著)。
講演:
「M&A実務にかかわる実務論点と近時の動向(座談会)〜価格決定申立て、第三者委員会など〜」、「改正会社法のM&A実務への具体的影響〜新制度の導入状況、プロコン検討など〜」、「第三者割当増資の実務〜今さら聞けない基本概念と実務上の論点の整理〜」、「法務DDの勘所」、「M&A法務の勘所」、「M&A実務にかかわる実務論点と近時の動向(座談会)〜価格決定、三角組織再編、売出し規制、F-4〜」(いずれも現所属事務所主催)他多数。
※録音・ビデオ撮影はご遠慮下さい。