2021/10/21
M&Aのテーマ・内容を絞り込み、実例に基づいた知識と経験、特に問題発生時の対応や留意点など、...
特に重要なのは(1)転嫁拒否の禁止、とりわけ「買いたたき」規制です。
「買いたたき」は、価格設定自体を拘束する規制であり、消費税率引上げ後の価格設定を検討するためには、避けては通れません。また、転嫁拒否の禁止は、下請法とは異なり、極めて広い範囲に一般的に適用されるので、その影響は甚大なものとなることが予想されます。特措法は中小企業の保護を念頭に立法されましたが、中小企業も仕入取引においては「転嫁を拒否した」として規制の対象となることも考えられるので、注意が必要です。
特措法は、公正取引委員会・中小企業庁だけでなく、ほぼあらゆる省庁が「主務大臣」として動員されることとなっており、また、公取委・中小企業庁も、600人規模の人員を新たに採用する等の体制を取っています。積極的な調査・立件が予想され、それだけリスクが高いといえます。
ガイドラインやパブリックコメント回答といった公的解釈が出ていますが、実務的対応の観点からは、具体的な取引への適用が不明確な部分が多く残されています。ガイドライン等で触れられていない既存契約の解釈や新規契約に盛り込むべき条項といった視点も不可欠です。
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田辺総合法律事務所 弁護士
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