聖バレンティアヌス
殉教した聖職者を祝うイベント・・・・それが最近盛りに盛り上がっているバレンタインですね。
(今年はブラックサンダーで有名な有楽が新宿駅にバレンタイン企画で毎日限定個数で義理チョコとしてブラックサンダーを配る機械を設置したことで話題になりましたね)
バレンタインが来週に控えているとあって、今週末に作っておく、試しに作ってみる方も多いのではないでしょうか?
もともとは、妻帯者が軍の中にいると兵士の士気が下がるとして、ローマ軍兵士の結婚を禁止したクラウディヴスローマ皇帝に対して、秘密裏に兵士の結婚を認めたとして聖バレンティアヌスが捕らえられ、豊年を祈願する祭りの生贄として犠牲になり殉教したのを記念にしてできたこのイベント。
クリスマス同様、本来はキリスト教の宗教行事ですが、日本では大いに盛り上がってますね。
日本にバレンタインが入ってきたのは1936年。神戸モロゾフがハートや花束の形のチョコレートをバレンタインチョコレートとして売り出したのが最初だといわれています。しかし、この時は全くはやりませんでした。そして月日は20年少し流れ、1958年にメリーチョコレートが伊勢丹新宿店でバレンタインセールを実施。しかし3日間もセールを実施して売れたのは板チョコ5枚だけという散々な結果でした。
しかし、ここから日本のバレンタインにとって転機が生まれます。メリーチョコレートが伊勢丹でバレンタイン企画を始めた1958、1959年と立て続けに松屋、松坂屋、西武デパートが広告を展開。1960年には森永製菓がバレンタイン企画を開始。このときの売り文句が
「女子から男子に愛の告白とともにチョコを渡す日」
だったのです。これが現在の日本独特のバレンタインに大きく寄与しています。
百貨店やメーカーの努力の甲斐があって、1970年代前半にはチョコレートの売り上げが急増し、1970年代後半になってバレンタインが定着しました。
このような背景から、男性も女性も自分の大切な人に花やケーキ、カード、プレゼントなどを送りあう世界のバレンタインの習慣と違って、日本では今でも森永製菓が売り出した当初の「女性から男性へチョコレートを送る」形が主流になっています。(最近では友達同士で送る友チョコや職場の男性に送る義理チョコも定番になっていますね)この独特の形は日本と韓国だけのようです。
さて、冒頭から言っているように、これはキリスト教の宗教行事。ではイスラム圏の国ではどうなっているのでしょうか?
クリスマス同様、国によって様々ですが、欧米ほどの盛り上がりは当然ないものの、全体的に容認の国が多いようです。しかし、宗教に厳しい国や欧米と政治的に敵対している国ではかなり過激な措置をとることもあるようです。たとえば、サウジアラビアではバレンタインが偶像崇拝を行うキリスト教の宗教行事であるからアラーを崇拝するムスリム(イスラム教を信仰する人々)は祝うことを許されない、としています。初めはこの通達だけだったのですが、後に宗教警察の委員である王子が国営放送で、違反した場合は最高で死刑もありえる。という見解が出され、違法化が明らかとなり、取り締まりも厳しくなりました。そのほか欧米と核問題で対立しているイランでは、今年バレンタイン商品に関する輸入を禁止しており、バレンタインそのものの拡大自体が「イスラム教に対する西洋の陰謀」という見解を出しています。
しかし、このような例はあるものの、この2つの国を含めて、イスラム諸国でも特に若者の間でバレンタインは恋人のためのイベントとしてプレゼントを贈りあうのは流行しているようです。
さぁ、みなさんは今年どのようなバレンタインを送るのでしょうか?
よい週末になりますように。