BRICS銀行

2013/03/28
2020/03/14

BRICSといえばみなさんご存じ、途上発展国と言われる国の中でもリーダー格と言われている国の集合体ですね。

構成国はブラジル、ロシア、インド、中国と言われて、スペル最後のsは複数形のsだとずっと認識されてきましたが、
近年ではアフリカ大陸で成長著しい南アフリカのSと言われるようになってきました。
(それに伴って小文字だったsが大文字Sになりましたね)

サッカーW杯で一躍全世界的に有名になった南アフリカは、アフリカ大陸随一の経済大国であり、
人種差別のアパルトヘイトを克服したことでも有名ですね。
日本との貿易関係も深く、サハラ砂漠以南の地域との貿易の5割が南アフリカとの取引であり、直接投資も7割が南アフリカ向けです。鉱石などの資源が豊富なことでも知られ、金やプラチナの埋蔵量は世界一です。
経済的な結びつきだけでなく、平和維持活動に関する講義で日本の自衛隊員が派遣されたりと、
様々な場面で日・南アの協力がなされています。

そんな南アフリカを含めた新・BRICSの首脳会議が26日より南アフリカのダーバンで開かれていました。
リーマンショック以降、欧米に変わって世界を牽引すると期待されてきたBRICS諸国ですが、実際はそれぞれが抱える国内問題もあり、期待されてきたほどの効果は発揮できずにいました。
しかし、すでに欧米の大国だけで動く元気が残っている国はなくこれからはそれら先進国とBRICSをはじめとする優良途上発展国が協力して世界経済を支えていくことが確実視されています。
国連貿易開発会議がまとめた報告書によると、2012年のBRICSによる海外直接投資の割合は全体の9%になり、10年前の比べると9倍も伸びているそうです。(そのうち中国が54%、ロシアが40%を占めるそうです。)

そして今回の首脳会議で画期的な案が前進しました。
それが今日のタイトルにもなっているBRICS銀行。

これはBRICS主導の開発銀行で、途上発展国のインフラ整備支援や外貨準備の共同構築を目的としてつくられ、

世界銀行やIMFの補佐的な役割も担えるのでは?と期待されているもので、
今回の合意で正式交渉に入ったと報じられました。
(この案自体は1年前の首脳会談ですでに出されたものなのですが・・・)

BRICS内部では
中国のアフリカ支援が欧米列強による植民地時代の1次産品を安く買って、工業製品を売りつけることに酷使していると非難をされたり、
インドが中国包囲網に参加しているのでは?と懸念されたり
一方で中国とブラジルが通貨交換協定を結び、年間で最大300億ドルの自国通過融通を合意するなど 
それぞれが途上発展国で自国の利益を確保しなければならないという状況下で
いろんな思惑が錯誤しています。
(http://mainichi.jp/select/news/20130327dde007030003000c.html
http://jp.reuters.com/article/forexNews/idJPJT831593020130326

しかし、今回の主要途上国主導の開発銀行が成功すれば、
途上発展国が途上発展国を支援する、金融危機に陥った際に途上国同士が助け合う、画期的なシステムが出来上がることになります。

目が離せないニュースの一つになりそうですね!

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