企業内弁護士と顧問弁護士
みなさん、先日掲載した企業内弁護士の記事を読んでいて
ん?じゃあ顧問弁護士との違いは?どこが違うの?
って思った方も多いかと思います。
そこで今回のコラム記事では企業内弁護士と顧問弁護士の違いについて解説したいと思います。
企業内弁護士は前回もお伝えしたように企業内部に努めるもので弁護士資格を有する人のことでしたね。
顧問弁護士とは一般的に専属の法律相談役と言われていますね。何か法律関連でわからないことがあれば即時相談する、いわばかかりつけの先生みたいなものです。
企業内弁護士であれば、その企業のどれかの部署に所属し、会社に密着して業務を行うわけですが、顧問弁護士は一般的に弁護士事務所に所属するので、担当する会社は他にも多数あるのが普通です。
(もちろん、副業を認める会社だったり、雇用体系が週○日といったパートタイム形式で契約上副業が認められる場合は企業内弁護士でも個人で会社とは別件の案件を担当することも可能ですが・・・)
会社の法務部に求められる仕事を簡潔にまとめると以下の3つの手順を踏むことになります。
Ⅰ 法的問題の発見・把握とその解決策の模索
Ⅱ 問題の処理
Ⅲ 問題の終結と日常業務へのフィードバック
このうち、顧問弁護士の仕事は主にⅡのところです。
しかし、実際にはⅠもⅢも法律知識が必要であり、社内弁護士にはその2つの分野での活躍が期待されているのです。
企業内弁護士が増えてきていると言っても、まだまだ日本では希少である弁護士資格を有している人を企業内に置いておくことに関して疑問を抱いている経営者が多いのも事実ですし、社内弁護士に対する誤解も持っている方も少なくありません。
よく、社内弁護士がいれば外部弁護士に案件を委託することなく、会社の人間だけで解決するのか? と思う方がいますが、
日本組織内弁護士協会によれば、社内弁護士がいる方が外部弁護士に発注する案件も増えるという統計があります。
これではコストがかかりすぎるだろ! と思うかもしれませんが、
社内弁護士は会社への密着度が高い分、組織内の問題点を次々と発見し、社内で予め必要な事実関係確認や論点を整理したうえで、外部に発注するのです。
なので、発注の内容も難易度が上がり、外部の弁護士も高い能力が必要になります。
また法律知識が豊富に備わっている者同士での連携なので、作業もスムーズに行きます。
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